年間アーカイブ: 2023

LSEアカデミアニュース No.103 深刻化する異常気象のメカニズム再考( ~ 世界の気象は「大気の大循環」が創出する ~

20回にわたった「CO2排出量実質ゼロ、その実現への摸索」をひとまず終え、当財団に関わるトッピクスを取り上げ、できる限りエビデンスを添えて解説していきたいと思います。今回はCOP28を背景に、温暖化とともに深刻化する異常気象メカニズムを再考してみます。 1.異常気象とは 気象庁は「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」を、世界気象機関は「平均気温や降水量が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象」を「異常気象」と定義していますが、自然変動の周期は1日周期の太陽放射(気温の日変動)、季節変化、十数年周期の太陽黒点活動、数十万年周期のミランコビッチ・サイクル等々があり、また、変動の山や谷も見方によって正常/非正常が異なりますので「時間スケール」でその判断は大きく左右されます。 しかし、もはや異常気象が頻繁(恒常的)に発生する現状では「平年より著しく異なった気象現象、家屋や農作物に壊滅的な被害をもたらした気象現象」とみなしています。 異常気象の要因は地球温暖化、海水温上昇、ブロッキング高気圧、偏西風蛇行、エルニーニョ/ラニーニャ現象、太陽活動変動、大規模火山噴火、森林破壊等の土地利用変化など挙げられますが、これらが単独でなく一つが他を誘発して複合的に関わっていきます。ですから、一方で豪雨・洪水、他方で熱波・干ばつ、という真逆の現象が発生したりします。 では、基準となる「平年の気象」から考えてみます。 つづきは会員ページより

By |2023-12-23T10:16:20+09:0012月 23rd, 2023|ニュース|0 コメント

【開催のご案内】第91 回「ESP 推進分科会」定期セミナー

拝啓 寒冷の候、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は、ESP事業に対し格別のご支援ご高配を賜り厚くお礼申し上げます。さて、第91回「ESP推進分科会」定期セミナーを下記の通り開催いたします。ご多用の折とは存じますがぜひご参加頂きたくご案内申し上げます。敬具

By |2023-12-19T18:25:02+09:0012月 19th, 2023|ニュース|0 コメント

GREEN PARTNER No.140 「1.5℃目標達成は不可能か!」 COP28 の課題 ~ 実現へのCO2 削減プロセスと現状分析 ~

16回にわたった「2050, カーボンニュートラルへの道」シリーズをひとまず終え、環境・エネルギー・気候変動に関するトピックスとそれについての私見(加藤)をお伝えできればと思います。 今回は、11/30からドバイで始まるCOP28に先立って世界資源研究所(WRI)等が11/28に公表した「1.5℃目標達成は不可能 !」と分析した経緯を取り上げます。 1.パリ協定:1.5℃実現へのシナリオと現状 「2100年における世界平均気温上昇を産業革命以前からの気温の1.5℃までに抑える」という合意がなされ、これを達成するためには「世界各国は、2050年までに温室効果ガス排出量を炭酸ガス換算値CO2eで実質ゼロ、すなわち、カーボンニュートラル(CN)まで削減しなければならない」、その中間段階として「2030年にはCO2e排出量を50%削減する」(2019年比)ことを約束しています。下図は、世界の2022年以降の予測CO2e排出量を示します【出典:WRI】。2022年はコロナショックからの経済回復で2021年より増加して574憶㌧ですが、「1.5℃」を達成するには紫線 で示すように「2030年に330憶㌧(2020年の▲43%)、2035年には250憶㌧(2020年の▲56%)まで削減させねばならない」のですが、各国が自主的に決定した削減目標値:NDC(Nationally Determined Contribution)を積算したCO2e排出量を桃線 で「2030年520憶㌧( の1.6倍)、2035年510憶㌧( の2倍)」と見込まれ、しかも実体はNDCを果たせない国が多いので、 より10%程度多いと思われます。すなわち、各国がNDC削減目標を達成しても1.5℃シナリオとは2倍ほどの大差があり、「1.5℃実現不可能!」との警告は認めざるをえません。これが現状なのです。 続きは会員ページより

By |2023-12-05T13:49:41+09:0012月 5th, 2023|ニュース|0 コメント

LSEアカデミアニュース No.102 CO2 排出量実質ゼロ、その実現への模索 (20) ~ 果たせるか CN?: (4) 民生部門における取組み ~ 6

1.民生部門とは 民生部門は家庭部門と業務部門とから成ります。「家庭部門」のエネルギー消費は「家計がその住宅内で消費したエネルギー」を、「業務部門」は「第三次産業(第一次、第二次産業を除いた残余部門:商業・運輸・通信・金融・不動産・サービス業・公務など、日本では電気・ガス・水道業も含める)に属する企業・個人が事業所の内部で消費したエネルギー」を指します。消費したエネルギーから排出される温室効果ガス量(CO2換算値:CO2e)についても同様の定義です。しかし、家庭や事業所の自動車の燃料代はその家計・事業所から支出されますが、その自動車から排出されるCO2は「運輸部門」に含まれます。統計上、自動車・バス・トラック・列車・飛行機等のすべての交通機関によるCO2排出を運輸部門がカバーしているのです。 続きは会員ページより  

By |2023-11-22T14:07:17+09:0011月 22nd, 2023|ニュース|0 コメント

GREEN PARTNER No.139 第8 9 回「ES P 推進分科会」定期セミナー 0 9/15 4 講座要旨集号

コロナ対策万全の会場には初顔の方々を交え和気あいあいでした。恒例の環境情報伝道士 水野真理子のESP事業案内で始まり、会長の森の「設立20周年には眼科医・医学博士 吉田統彦衆議院議員の特別講演『眼と光』で“陽光LED照明明王”の評価がどう下るのか、気になります。」そして「あっという間の20年でしたが、次の20年は悲喜こもごも」との挨拶後、セミナーに移り、財団代表 加藤征三氏、財団カウンセラー 奥山哲也氏、㈱GU 石見良夫、㈱GU森 幸一の4氏より下記の講座が提供されました。本号は各講座の要旨集号です。 続きは会員ページより

By |2023-10-30T13:23:28+09:0010月 30th, 2023|ニュース|0 コメント
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