1.電力需給の「同時同量」原則とその達成手法

電気は貯められないので需要と供給が「同時同量」、すなわち、送電線には電気が過不足なく流れていることを指し、これによって初めて安定供給が達成できます。この原則を、一定量の電力を供給する発電機からの電力を送電線から多くの需要機器が受電するシステムをイメージして考えてみます。今、多くの機器が供給電力より多くを受電・消費するとき、送電線内の電気量=電流は減ってくるので流れやすくなり、発電機の回転数=周波数を上げようと働きますが、一定量の発電を維持するために取り付けられた「調速機」が機能して逆に周波数を低下させるのです。一方、需要が供給より減ると発電機の周波数は上昇します。実際は多くの発電機が系統に連携されていますが、供給不足なら供給(発電)側の周波数は下がり、供給過剰なら周波数は上がる現象は同じです。すなわち、周波数を監視していれば電気の過不足が瞬時に察知できるので、周波数が高くなる時は供給力を高め、周波数が低くなる時は絞って、元の標準周波数まで周波数を戻すことによって「同時同量」を達成することができます。

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