1.突然変異で強烈化する COVID-19 新型コロナウイルス COVID-19 は頻繁に突然変異し、その度に感染力が強烈になっていくことがわかってきました。その理由はCOVID-19 が反応性の高い(安定性の低い)RNA ウイルスだからです。通常、生物の細胞は生命維持のため増殖しますが、同じ細胞を産生するため設計図が組み込まれています。
それがDNA で、下左図のように2 本の鎖が二重らせん状にからまり、2 本の鎖を 4 つの塩基(青:C:シトシン、緑:G:グアニン、黄土:A:アデニン、赤:T:チミン)が組み合った支柱が強固に支えているきわめて安定性の高い構造です。一方、RNA は右図のように1 本の単鎖に組み合う前の4 つの塩基(赤が茶のウラシルに替わっている)が刺さっているだけの不安定な構造です。RNAは、DNA が複製されるとき遺伝情報を複写、原料を調達、それを合成する役割を担っており、役割を終えれば消滅します。しかし、ウイルスには遺伝物質としてDNAをもつ「DNA ウイルス」とRNA をもつ「RNA ウイルス」が存在しますが、大きな違いは上述のように「遺伝情報の安定性」にあり、COVID-19 は不安定な「RNA ウイルス」で、宿主細胞のDNA 変位速度の100 万倍もの速さで変異し、しかも鎖が長く非常に多くの遺伝子を含むので頻繁に遺伝子のミスコピーによる突然変異が発生します。新型ですので消滅させる酵素は存在せず、その感染力は強靭になるばかりです。これが特効薬やワクチンの開発を遅らせる要因です。

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