1.工業的畜産(集約畜産)とは「工業的畜産(集約畜産)」は前号・前々号で解説しました「工業的農業(集約農業)」と同じ事業形態、すなわち、「コストを最小に抑えつつ生産を最大化することを意図した畜産の取組み」を指し、通常、牛・豚・鶏などの家畜・家禽を繁殖・飼育し、人間生活に必要な肉・卵・乳製品・皮革などの畜産物を高効率で生産する産業です。対象動物が水棲生物である場合は「養殖」と呼びます。国土が狭い日本では畜産においても農業以上に「工業的=集約=高生産性」を図らざるをえないのです。

工業的畜産の現状と課題について言及する前に、国内で消費される食料の量と工業的農業&畜産によって生産される量を確認し、自給率から食料の安定供給リスクを考えます。

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