ドイツは政権政党によってエネルギー政策がしばしば転換します。2002年、社民党のシュレダー政権は電源構成比30%の原発17基を2020年までに全廃止する「脱原発法」を成立させました。2010年、キリスト民主同盟のメルケル政権は原発全廃止を再エネで穴埋め不可能として2037年へ先延ばしする改正を行いましたが、2011年の福島原発事故を鑑み2022年までに全廃止と再改正し、今年12月に残り3基を停止します。2021年、(社民+緑)党のシュルツ政権は2030年までに石炭使用全廃止する「脱石炭法」、CO2削減量を2030年▲80%、2047年▲100%(1990年比)を目指す「気候保護法」を成立させました。再エネのベース電源化は2000年、「再エネ全量買取制度:FIT」に始まり、今や再エネの電源構成は41%です。

以上順調のようですが、原発・石炭関係従業員の雇用や再エネバックアップLNG高騰に「脱ロシア」が追い打ちをかけ、CO2は増え、電気料金は高騰、インフレ+7.3%・・・現実にさいなまれています。

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