1.COP28の注目点 昨年11/30-12/13、UAEのドバイで開催されたCOP28の注目点は以下の3点です。
(1)「グローバル・ストックテイク」の実施と結果
(2)「化石燃料の段階的廃止」の合意なるか
(3)「Loss &Damage」基金運用の仕組み構築
以下、初の(1)を主題にCOP28を総括してみます。
2.グローバル・ストックテイク(Global Stocktake)
「グローバル・ストックテイク(GST)は「パリ協定」(2015年、COP21)で決定された「世界全体のCO2e削減進捗実績を評価、勧告する」、いわば「世界のCO2eの”棚卸し(Stocktake)”によってさらに高い削減目標を掲げて行動するための戦術」です。最終目標は「今世紀末の世界平均気温の上昇を産業革命以前の2.0℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を継続する」ことです。このためには、IPCCの勧告に従い2030年までに世界のCO2e排出量を1019年比▲48%、2035年には▲65%、2040年には▲80%、そして2050年に▲100%、それぞれ削減することを合意し、そのために各国は「自主的削減目標:NDC」を約束しています。しかし、現状はIPCCシナリオとかなりの「排出ギャップ」があり、下図の「削減目標引上げメカニズムを採用しています。
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