カーボンバジェット【炭素予算】とは、「パリ協定」で世界が誓った約束「今世紀末の世界平均気温上昇を『2.0℃未満』、可能な限り『1.5℃以下』に抑える」を果たすためには「あとどのくらい温室効果ガスを排出できるか」を表す「上限」の排出量を指します。問題はその上限値に達するまでの「残余バジェット」です。これを算定するのに必要な前提事項をまず復習し、約束遂行の成否を考察してみます。
1,「温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gases)」とは GH Gに指定されている化学種はCO2: 二酸化炭素、CH4: メタン、N2O: 一酸化窒素、HFCs: ハイドロフルオロカーボン(19種含む)、PFCs: パーフルオロカーボン(9種含む)、SF6: 六フッ化硫黄、NF3: 三フッ化窒素の7種です。後半の4種(HFCs, PFCs, SF6, NF3)は空調用代替フロンガスです。
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