前号で世界の気象は基本的に「大気の大循環」が創出し、それがもたらす平均的な気候状況を解説しました。実は、「大気の大循環」以外に「海洋の大循環」と「炭素の大循環」も少なからず影響を及ぼしていますので、本号で「海洋の大循環」と「炭素の大循環」について解説します。

海洋の大循環 海は地球表面の71%3.63km2を占め、海水量は13.5km3、最深はマリアナ海溝の10,920mで平均深さは3,800mに及びますので、海洋が移動すれば世界の気候に影響することは直感できます。実際に海水が世界の海洋を数千年もの時間をかけて大循環しており、これを「海洋の大循環」と呼び、極域から低緯度域へ向けて冷たい海水を、また低緯度域から極域へ暖かい海水を運ぶので「地球の温和な気候」の実現に大きな役割を果たしているのです。

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