1.加速する乗用車 EV 化政策 今、欧・米・中で自動車の EV(電気自動車=電動)化旋風が吹き荒れています。EU 委員会は「2035 年以降、全ての新車がゼロエミッション車 (ZEV)になる」目標設定を宣言しました。米国は「2030 年ま でに乗用車の新車販売の 50%を ZEV(ゼロエミッション車) にする」大統領令を発令しました。中国は「2030 年までに新 車販売車の 40%以上を NEV(新エネ車)、45%以上を低燃費 車にする」との指令が出ています。いずれにせよ、2030 年以 降、欧・米・中では 100%内燃機関搭載車の販売は禁止です。
こうした EV 化旋風はカーボンニュートラル(CN)に向けて の必須条件ですが、上記の欧・米・中の厳しい EV 化政策は 気候変動緩和のための大幅な CO2 排出量削減効果を期して 打ち出されたはずです。これら急激な EV 化政策には巨額な 予算を投入して種々の技術開発やインフラ整備などを 5 年程 度で成し遂げ、CN に寄与するだけの CO2 削減結果を実証し なければなりません。EU は 「2030 年の CO2 排出量を 1990 年(56.59 億トン)比で△55%(△31 億トン)を達成する」と削減 目標を 5%引き上げました。この柱が EV 化です。果たして 思惑通りの CO2 削減効果が実現するか、再考してみます。
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