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LSEアカデミアニュース No.50 「パリ協定」遵守:再エネと原子力の攻防 (3) ~ ドイツに学ぶ脱原発・再エネ大量導入の現実 ~

1.ドイツの位置・気候・気質 南はアルプス山脈、中央はヨーロッパ平原、北は北海・バルト海にいたる北緯(47度~55度)、北海道より北の樺太北部からカムチャッカ半島南部に位置し、冷涼で曇りがち、比較的温和な海洋性の気候です。面積は日本の94%、人口は66%、GDPは世界4位の技術立国です。日本は島国ですが、独国は9か国と接し送電網があり、電力の相互融通が容易な地理的条件を備えています。 気質は現実的な頭脳と理想主義的な精神を兼ね備え、「物質主義に侵されない倫理的国民」を自負するほどです。 2.政策決定は【トップダウン+気候変動対応】 環境政策目標【CO2削減:2020年△40%、2030年△50%、2050年△(80~95)%】【再エネ比:2050年発電部門80%】【エネルギー消費量半減(2008年比)】はドイツらしい【トップダウン+気候変動対応】で、やや自尊心が先走った楽観的シナリオのように思われます。これに対し、我が国のエネルギー政策は【ボトムアップ+(3E+S)】で、原子力も再エネもすべて動員したバランス重視のエネルギーミックスでCO2削減目標2030年△26%を部門別に積み上げて設定しています。

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