1.自己責任か、社会背景か 

かって「自分で健康管理できない人の医療費を健康な人が支払うのは不公平」と「自己責任論」を展開した財務大臣の言が物議を醸しだしていました。「メタボリックシンドローム(内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態)」騒ぎの頃です。国は増加する一方の医療費抑制のため健康づくりの国民運動「健康日本21(一次:2000~2010、現在は三次)」で「食塩摂取量1日当り10g以下」「1日当り男性9,200歩、女性8,300歩以上歩く」など59項目を展開しました。しかし、達成できたのは10項目17%、逆に15%は悪化したのです。この結果は、折からの「失われた20年」最中で健康づくりどころではなかった、すなわち、「自己責任よりも社会背景が強く反映される」ことが要因だったのです。

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