1.GX の実現に向けた基本方針 今や国・企業は「環境に配慮しているというブランディング」をユーザーから獲得できないと産業競争に負けてしまいます。また、「環境配慮」の基本姿勢は「エネルギーの安定供給を確保しつつ脱化石燃料化をる」ことが必要です。こうした世界的環境配慮の潮流に政府は危機感を覚え、2022 年 7 月から「GX 実行委員会」で議論された中身を総括して本年 2 月に「GX の実現に向けた基本方針 ~今後 10 年を見据えたロードマップ~」を公表しました。GX (Green Transformation)を「産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革を実行する」と定義(GX は和製英語)し、今後 10年の具体的方向性を打ち出しています。主要なポイントは1エネルギー安定供給の確保を大前提にした脱炭素化。具体的には「徹底した省エネ推進」「再エネの主力電源化」「原子力の最大限活用」です。2カーボンプライシング (CP)の実現・実行。具体的には「GX 経済移行債を活用した先行投資」「CP による GX 投資インセンティブ」です。まず実行したのが法整備です。

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