深刻化する異常気象のメカニズム再考(3)

~ 「炭素の大循環」は 全生態系の生命を司っている ~

1.「炭素の大循環」とは 「大気の大循環」「海洋の大循環」に引き続き「炭素の大循環」について解説します。

例えば、植物は太陽エネルギーと土壌からの水分、そして大気からCO2を吸収して「光合成」し、ブドウ糖のような栄養素=有機炭素物の形態で炭素Cを固定すると同時に酸素O2を放出しています。植物はこのような大気から取り込んだCO2を基に炭素を固定しているので、焼却や分解の過程で排出されるCO2Cは大気中の炭素総量の増減に無関係、つまり、「カーボンニュートラル」と呼んでいます。

動物はこの植物を食料として大気中のO2を取り込んで有機物を合成してCを固定し、同時にCO2を放出します。排泄物や死体は細菌類によって分解され再びCO2となって大気へ還ります。陸域・海洋の生態系生命は上記のような「炭素循環」によって支えられていることがわかります。

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