LSEアカデミアニュース No.47 電磁波と健康:その係わり(8) ~ “知って怖がる”電磁波の長短:まとめ ~
1.自然電磁波は健康をはぐくむ? 自然界に存在する電磁波の代表は太陽光です。宇宙にはさまざまな宇宙線が飛び回っていますが、地表に届くのは大気圏に開いた2つの「光の窓」と「電波の窓」から入ってくる電磁波だけです。「光の窓」から入る太陽光は主に波長 の可視光で、古来より私たちの生活リズムや光合成、ヒトや生物の進化にも深く関わり、私たちの命を育くんでくれる大切な電磁波です。また、「電波の窓」から長波長 の宇宙線が時折入ってきますが、これが開いているお蔭で人工衛星との通信ができ、今日のAI社会が実現しています。 では、健康に悪影響を及ぼす電磁波とは何でしょうか? 2.人工電磁波に注意! 地磁気や雷光、鉱石からの放射線なども自然電磁波ですが、私たちの健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。問題は人工電磁波です。 人工電磁波は導体に電流を流すと導体周りに磁場が発生(アンペールの法則)しますが、交流のように変動電流ですと磁場も変動するので新たな電場を誘導(ファラデーの電磁誘導の法則)し、次々と磁場→電場→磁場→電場・・・と連発発生します。つまり、交流であれば必然的に電磁波を発生しますし、積極的に導体に流す電流の周波数と強度を変えるだけで任意の電磁波を自在に発信することができるのです。一方、自然電磁波はその発生過程からも明らかなように、一定の周波数を有せず不規則で強度も桁違いに小さいのです。 しかし、次節のように人工電磁波は私たちの生活に欠くことのできない通信や医療の暮らしのインフラであり、人工電磁波を避けて生活できない環境なのです。 続きはこちらから 190415 財団機関誌_LSEアカデミア・ニュース_47