GREEN PARTNER No.128 「2050、カーボンニュートラル」への道(11) ~ エネルギー危機とCOP27総括 ~
1.Eating or Heating(食か暖か) 今、極寒を迎えようとする欧州での生活費の危機を訴えるフレーズです。ロシアのウクライナ侵攻がもたらした私たちの生活実態を端的に表しています。とりわけEU圏は天然ガスの45%、石油25%、石炭45%をロシア産に依存していたのを「石油・石炭は輸入禁止、天然ガスは5年後までにゼロ」なる制裁を実施しているので、「冬に向けて天然ガスの温存」を呼びかけ、15%の削減目標の達成と備蓄を強く促しています。ドイツをはじめ各国の天然ガスの貯蔵率はほぼ100%に達し、ロシア産抜きで冬をしのぐ目途がついたようです。石油の代替先確保もコロナで財政支出がかさんだOPEC産油国は高値を維持して歳入を確保したい思惑があって大幅な増産に賛同せず難しい局面が展開されています。 当面の苦境をしのぐため、独・仏をはじめ欧州各国はやむを得ず石炭火力発電所の活用、原子力発電所の運転期間延長を実施しています。 続きは、会員ページより