GREEN PARTNER No.136 「2050 、カーボンニュートラル」への道 1 5 ~ GX 推進法:原子力・再エネ・C CS の三本柱 ~
1.GX(Green Transformation):その背景 我が国がIPCCへ提出したNDC(Nationally Determined Contribution: 国の決定する貢献)は2030年までにCO2排出量を▲46%(2019年比)ですが、コロナショックで大幅削減したものの翌年には経済回復し過ぎて史上最高を記録しました。▲46%達成するため「GX実現に向けた基本方針」を2月に閣議決定し、5月には「GX推進法(正式名:脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)」と「GX脱炭素電源法(正式名:脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律)」を成立させ、「第7次エネルギー基本計画」の検討も始まりました。 そもそもGX(Green Transformation)は「化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換すること」を指します。この背景には、我が国の製造業のGDPは23%占めるものの輸出額は17%に留まっている実態にあります。この一因が「石炭の多用による低生産性」なので、早急に【石炭→天然ガス→電化→再エネ】へのGXを実現して国際競争力(輸出額拡大)を高めねばなりません。 続きは会員ページより
1.レアメタル争奪戦の背景2050年CO2排出量実質ゼロ=カーボンニュートラル(CN)達成のための象徴的技術は「脱化石発電=再エネ」と「脱化石燃料=EV」です。太陽光発電(PV)と風力発電(WT)に代表される変動性再エネ(Variable Renewable Energy: VRE)を実質的にベース電源に組み入れるためには発電量をバッテリーに貯蔵して平準化させる必要があります。EVとPHEV(プラグインハイブリッド車)はバッテリーが命です。下図は(2010~20)年にわたる世界におけるEVとPHEVの保有台数の推移で、2016年以降は毎年顕著な伸びを示して2020年には累計1,000万台を突破しました。シェアは中国42%、欧州32%、米国20%です[出典:IEA]。 2020年における世界の保有乗用車は11億台ですからEVとPHEVは未だ0.1%ですが、全乗用車新車販売5,640万台に対してEVとPHEVは312万台ですので、5.5%になっています。これが2年後の昨年は全車新車販売台数のほぼ10%に急普及しています。2025年に40%、2030年に50%超えると予測され、再浮上したのがリチウムイオン電池(LiB)の正極原料となるリチウムLi、コバルトCo、ニッケルNi、マンガンMn等のレアメタル確保の課題です。 続きは会員ページにて
マスク着用は自由とは言え、コロナ対策万全の会場は活気溢れ満席でした。冒頭は環境情報伝道士 水野真理 子の ESP 事業案内。続いて、会長の森から「今回のセミナーは 87 回=ほぼ 15 年、㈱GU は今年創立 20 年、財 団は創立 10 年。ともに区切りとなり再スタートとなる年を記念して 11 月 8 日に式典を開催します。各位には 仲間を同行して馳せ参じてください、大歓迎!」との挨拶がありました。セミナーは下記 4 講座が財団代表理 事 加藤征三氏、三重大学環境アドバイザー 奥山哲也氏、㈱GU 森 忠隆、森 幸一の各氏より提供されました。 ウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰によ って脱炭素化を先導する欧州各国は「環境モラトリア ム【脱炭素化政策執行の一次停止】」を余儀なくされ ています。しかし、「環境モラトリアム」下にあって も脱炭素化を進めなくてはなりません。そこで、非エ ネルギー分野に目を向けると、前号で「食肉生産に伴 う CO2e 排出量が日本で走る全乗用車からの排出量 に匹敵する」事実と「ミートフリーデー【畜産業で生 ずる地球環境負荷を減らし動物の命を救うため、週に 1 日は肉を食べない日を設けよう!】というサステナ ブルな活動」を結びつけて、削減できる CO2e 排出量 を計算すると年間 165 万㌧にもなります。これは電力 の CO2 排出係数 0.5kg-CO2/kWh から 33 憶 kWh(1 [...]