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GREEN PARTNER No.130 「 2050 カーボンニュートラル」への道 1 2 ~ 電力自由化 の波紋:供給不足の背景

1.電力需給の「同時同量」原則とその達成手法 電気は貯められないので需要と供給が「同時同量」、すなわち、送電線には電気が過不足なく流れていることを指し、これによって初めて安定供給が達成できます。この原則を、一定量の電力を供給する発電機からの電力を送電線から多くの需要機器が受電するシステムをイメージして考えてみます。今、多くの機器が供給電力より多くを受電・消費するとき、送電線内の電気量=電流は減ってくるので流れやすくなり、発電機の回転数=周波数を上げようと働きますが、一定量の発電を維持するために取り付けられた「調速機」が機能して逆に周波数を低下させるのです。一方、需要が供給より減ると発電機の周波数は上昇します。実際は多くの発電機が系統に連携されていますが、供給不足なら供給(発電)側の周波数は下がり、供給過剰なら周波数は上がる現象は同じです。すなわち、周波数を監視していれば電気の過不足が瞬時に察知できるので、周波数が高くなる時は供給力を高め、周波数が低くなる時は絞って、元の標準周波数まで周波数を戻すことによって「同時同量」を達成することができます。 続きは会員ページより

By |2023-02-08T18:05:03+09:002月 8th, 2023|ニュース|0 コメント

LSEアカデミアニュース No.92 快適・安全安心・健康な衣食住環境を創る 7 ~ 我が国の 残留農薬 基準値とその国際比較

1.我が国の残留農薬等の安全基準「残留農薬等.」は残留農薬・飼料添加物・動物用医薬品の総称、「農薬等」は害虫・病原菌・雑草を退治するための薬品の総称です(以降、等を省く)。農薬のお陰で生産者の労務負担が減り、高品質の農産物を大量・低廉に提供できるのです。しかし、農薬は使用後も消失せず農産物【農作物・畜産物(肉・卵・乳)・それらの加工品を合わせた農業の生産物】に残り、これを「残留農薬」と呼びます。残留農薬が「人の健康を損なう恐れのない量」に抑えるための基準を「食品衛生法」で、そのための使用法を「農薬取締法」で厳しく規定しています。違反食品は製造・販売等を禁じられています。 つづきは会員ページから

By |2023-01-17T21:35:24+09:001月 17th, 2023|ニュース|0 コメント

GREEN PARTNER No.129 今冬、電力需給ひっ迫警報発令か ~ 電力供給力低下の背景と対策

COP27で「損失と損害」基金設立と世界人口80億人到達のトッピクス紹介後、テーマに入りました。 3月22日、経産省より東電管内の企業・家庭に「電力需給が厳しくなる見込みのため節電のご協力をお願いします【電力需給ひっ迫警報】」なるメールが一斉発信されました。これは、電力の供給が需要の3%を下回ると予想されるとき発せられ、10%の節電を求められます。万一、供給が需要を下回ると「ブラックアウト(全域大停電)」になってしまうからです。 電力の自由化によって自由競争時代となり、LNG価格高騰を受けてどの電力会社も採算の悪い発電設備は廃止or停止しましたので総じて供給力にさほどの余裕はありません。そこへ地震で多数の火力が停止・天候不順で太陽光発電ゼロ・突然の寒波襲来が重なって「ひっ迫警報発令」に至ったのです。この事態は今冬(東京~九州)7管内で起こり得るのです。 公共性の高い電力は自由化に馴染むでしょうか? 続きは、会員ページより

By |2022-12-27T12:17:34+09:0012月 27th, 2022|ニュース|0 コメント

LSEアカデミアニュース No.91 快適・安全安心・健康な衣食住環境を創る 6 ~ 農業の現状と課題 :将来展望 への道は?

1.農業の社会経済的現状農業は「土地を利用して有用な植物を栽培or有用な動物を飼育して生活に必要な資材を生産する業」で、「耕種農業(田畑を耕して種をまき、作物を栽培する業)」・「畜産農業(家畜を飼育・増殖し、乳・肉・卵・皮革などを得る業)」・「林業(森林を育て、木材を得る業)」に分類されます。これに「漁業(魚介類を捕獲・養殖する業)」を加えて「第一次産業」と呼んでいます。「鉱業(地中の鉱物資源を探査・採掘する業)」は採掘した鉱物を選鉱・製錬などの事業と一体なので第二次産業に分類されています。 農業の現状ですが、まずGDPの推移をみたのが下図で、第一次産業(農業・林業・漁業)と全産業のGDP(国内総生産)推移です。第一次産業全体のGDPは~6兆円で、全産業~550兆円の寄与度は~1%に過ぎません。その内訳は畜産を含む農業が~5兆円(~80%)、林業が~0.2兆円(~5%)、漁業が~0.8兆円(~15%)で、大きな変動なくほぼ一定で推移しています。 農業総産出額は~9兆円(畜産3.2、野菜2.3、米1.6、果実0.9、他0.9)ですが、算出経費率が~0.4と高く、生産農業所得は~5兆円です。農家の収入は自然天候・経営規模・事業形態・品種等に左右され、平均年収は~350万円、日本全体の平均収入~420万円より低い。これは、農産物の価格決定権が大手サプライチェーンに握られ、弱い立場に置かれているためです。農作物の物流チェーンの革新が望まれます。 続きは、会員ページより

By |2022-12-27T12:14:47+09:0012月 27th, 2022|ニュース|0 コメント

【開催のご案内】第 85 回「ESP 推進分科会」定期セミナー 令和5年1月27日(金)

【開催のご案内】第85回「ESP推進分科会」定期セミナー 拝啓師走の候、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は、「ESP事業」に対し格別のご支援、ご高配を賜り厚くお礼申し上げます。さて、第85回「ESP推進分科会」定期セミナーを下記の通り開催いたします。ご多用の折とは存じますが、ぜひご参加頂きたくご案内申し上げます。敬具

By |2022-12-27T12:11:09+09:0012月 27th, 2022|ニュース|0 コメント

LSEアカデミアニュース No.90 快適・安全安心・健康な衣食住環境を創る(5) ~ 工業型農業の持続可能性を考える ~

1.工業型農業とは 1960年代以前の「従来品種」による農法は肥料を一定以上投入すると「倒伏(稲が倒れる)」が起き、収量が上がりませんでした。これを打破する「高収量品種(品種改良により高い収穫量を目的に開発された品種)」が米・麦を対象に開発に成功し、大量の化学肥料の投入が可能になりました。灌漑設備・病害虫防除技術・農業機械化などと相まって穀物の大量生産に成功しました。これら1960年代に起った農法変革を「緑の革命」と呼んでいます。 その後、農業機械と農業技術のイノベーション・遺伝子工学・国際貿易などを活用して産業的に生産する近代的な農業体系を「工業型農業」と呼んでいます。これには農産物だけでなく畜産物・魚介類を含む第一次産業全体を含んでいます。 続きは、会員ページより

By |2022-11-29T00:26:18+09:0011月 29th, 2022|ニュース|0 コメント

GREEN PARTNER No.128 「2050、カーボンニュートラル」への道(11) ~ エネルギー危機とCOP27総括 ~

1.Eating or Heating(食か暖か) 今、極寒を迎えようとする欧州での生活費の危機を訴えるフレーズです。ロシアのウクライナ侵攻がもたらした私たちの生活実態を端的に表しています。とりわけEU圏は天然ガスの45%、石油25%、石炭45%をロシア産に依存していたのを「石油・石炭は輸入禁止、天然ガスは5年後までにゼロ」なる制裁を実施しているので、「冬に向けて天然ガスの温存」を呼びかけ、15%の削減目標の達成と備蓄を強く促しています。ドイツをはじめ各国の天然ガスの貯蔵率はほぼ100%に達し、ロシア産抜きで冬をしのぐ目途がついたようです。石油の代替先確保もコロナで財政支出がかさんだOPEC産油国は高値を維持して歳入を確保したい思惑があって大幅な増産に賛同せず難しい局面が展開されています。 当面の苦境をしのぐため、独・仏をはじめ欧州各国はやむを得ず石炭火力発電所の活用、原子力発電所の運転期間延長を実施しています。 続きは、会員ページより

By |2022-11-29T00:22:59+09:0011月 29th, 2022|ニュース|0 コメント

GREEN PARTNER No.127 カーボンニュートラルへの摸索 ~「地中熱」:次世代ターゲットに ~

家庭部門で消費するエネルギーの60%、業務部門での~45%が冷暖房・冷温水器、すなわち、高々50℃の熱を燃焼温度2,000℃の化石燃料で賄っていますが、これは熱力学的にはエントロピー=ムダを増やし、温暖化を助長します。冷暖房等を地球に優しい「地中熱」を活用すればカーボンニュートラルへの一助になります。地中熱は、年間通してほぼ15℃の恒温になっている地下10mほどの安定的な熱源(帯水層)ですので、夏なら冷房に、冬なら暖房にそのまま活用できるのが魅力です。地中熱利用ヒートポンプ(HP)の実証試験によれば、その省エネ効果は従来の空気熱HPの~25%、化石燃料焚きボイラーの~30%あり、石油換算で30万㌧タンカー55隻分も節約できます。また、CO2排出量の削減効果は全排出量の~4.5%に達します。 続きは会員ページより

By |2022-11-08T10:57:34+09:0011月 8th, 2022|ニュース|0 コメント

LSEアカデミアニュース No.89 快適・安全安心・健康な衣食住環境を創る(4) ~ 常態化する「電力供給力不足」の背景 ~

 1.電力需給ひっ迫警報発令の背景 電力需給がひっ迫するのは夏の甲子園の昼間でなく、今は冬の夕方から夜にかけての時間帯です。実際に夏のお盆でなく、今年の3 月21 日、春のお彼岸という夜に「電力需給ひっ迫警報」が発令されたのです(東京エリア)。原因は①福島県沖で発生した地震で火力発電所の多くが停止した(650 万kW)、②老朽化とトラブルおよび定期点検で134 万kW もの火力が停止していた、③テレワークなど働き方改革で電力需要が増加していた、④厳寒による暖房需要が急増した、⑤太陽光発電の供給量が90%低下していた、等による電力供給不足です。  つづきは会員ページより

By |2022-10-21T16:25:00+09:0010月 21st, 2022|ニュース|0 コメント

【開催のご案内】第 83 回「ESP 推進分科会」定期セミナー 令和4年11月18日(金)

 【開催のご案内】第84回「ESP推進分科会」定期セミナー  拝啓 金風の候、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は、「ESP事業」に 対し格別のご支援、ご高配を賜り厚くお礼申し上げます。 さて、第84回「ESP推進分科会」定期セミナーを下記の通り開催いたします。ご多用の折とは存じますが、ぜひご参加頂きたくご案内申し上げます。 敬具 

By |2022-10-17T14:02:19+09:0010月 17th, 2022|ニュース|0 コメント
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