1.水素の用途と製造法の現状 水素はこれまでエネルギーという観点ではほとんど使用されておらず、その強力な「還元力」という化学的機能を発揮する化学種として活用されています。例えば、石油精製プロセスで硫黄分の除去剤、プラスティック樹脂生成プロセスで安定剤や改質剤、製鉄プロセスで鋼板の光輝焼鈍剤、半導体製造プロセスで還元雰囲気ガスやキャリアガス、などとして150m3程度もの水素が工業プロセス用に生産・消費されています。

水素は自然には存在しませんので、それぞれの工場で自家消費のために化石燃料等から「改質水素」【例えば、水蒸気改質CH4+H2O→3H2+CO】を生成、あるいは石油精製所や製鉄所で副次的に発生するオフガスやコークス炉ガス等の「副生水素」の供給を受けて利用しています。

続きは会員ページにて