1.「森林経営」の考え方 樹木は自身の呼吸で CO2を排出し ますが、それ以上に大量の CO2を「光合成」で吸収しています。 すなわち、大気からのCO2と根からのH2Oを光合成によりセル ロース(有機体)の形で体内に C(炭素)を固定して成長します。 一方、光合成で生成した O2(酸素)は放出されます。CO2の吸 収と排出の差が正味の吸収量ですが、新陳代謝が活発な樹齢 (20~30)年が最も吸収量が多く、50 年を超えると吸収量は著しく 低下します。

したがって、CO2吸収源として認められる森林は、下草刈りや 間伐など「人が適切に『森林経営』している『人工林』と『保安林』 だけ」です。京都議定書では人工林 1,140 万 ha、保安林 1,360 万haの計2,500万haを対象として、CO2吸収量1,300万ton-C (△3.8%)が認められました。

2.固定炭素量の算出法 「樹木に固定蓄積されたC(炭素)は 樹木の幹・枝・根・葉の乾燥重量の~50%であり、それは大気か ら吸収した CO2由来である」ことが多くの研究からわかっていま す。この事実から、樹木の乾燥総重量の 50%が今までに固定 累積した総炭素量になりますので、次式が成立します。